乗馬の始め方と費用・不安解消術|癒し効果もわかる完全ガイド

こんにちは。しゅみLABO、運営者の「ケンジ」です。

趣味で乗馬って、なんだか憧れますよね。動物と触れ合えて、運動にもなる。でも、いざ趣味として乗馬を始めようとすると、「費用はどれくらいかかるんだろう?」「運動神経が良くないけど大丈夫かな」「年齢や体重制限が心配」「怪我のリスクやデメリットはないの?」といった不安がたくさん出てくると思います。

乗馬クラブの体験レッスンに行ってみたいけど、服装や道具もわからないし、ライセンス取得なんて自分にもできるのか、ハードルが高く感じるかもしれません。また、体幹が鍛えられるとか、姿勢改善に良い、ホースセラピーのような癒し効果があるといったメリットも聞くけれど、実際はどうなのか気になりますよね。

この記事では、そんな乗馬に関するあらゆる疑問や不安を解消できるよう、趣味としての乗馬の魅力から、現実的な費用、安全な始め方まで、私が調べた情報を分かりやすくまとめました。この記事を読めば、あなたが乗馬を始めるべきか、その第一歩をどう踏み出せばいいかがクリアになるかなと思います。

この記事のポイント
  • 乗馬がもたらす身体的・精神的なメリット
  • 知っておくべきデメリットと安全対策
  • 乗馬体験の具体的な流れと準備する服装
  • 入会金から月謝まで、必要な総費用の目安
目次

趣味の乗馬がもたらす心身への効果

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乗馬と聞くと、ただ馬に乗っているだけのように見えるかもしれませんが、実は心と身体の両方にたくさんの良い影響を与えてくれる奥深い趣味なんです。ここでは、乗馬がもたらす具体的なメリットについて見ていきましょう。

体幹と姿勢改善の身体的メリット

乗馬は、「姿勢が良くなる趣味」の代表格かもしれませんね。不安定な馬の上でバランスを取ろうとすると、自然と背筋が伸び、胸を開く姿勢になります。この姿勢をキープするために、普段は意識しづらい腹筋や背筋、いわゆる「体幹(コア)」が鍛えられます。

特に鍛えられるのが、太ももの内側にある「内転筋」です。馬体を両脚で軽く挟む(ホールドする)動作で使われる筋肉ですね。内転筋が強くなると下半身が安定し、腰痛の改善や予防にもつながると言われています。

さらに、乗馬は見た目以上に運動量が多い有酸素運動です。厚生労働省の指針によると、乗馬の運動強度は5.5メッツ(METs)とされていて、これは散歩(3.0メッツ)や柔軟体操(2.5メッツ)よりかなり高い数値です。馬の動きに合わせてリズミカルに腰を動かすので、特に腰回りの引き締めやダイエット効果も期待できるのは嬉しいポイントですね。

ホースセラピーとしての癒し効果

乗馬の最大の魅力は、やっぱり馬という動物とのふれあいにあると私は思います。これは「ホースセラピー」とも呼ばれていて、心に深い癒しをもたらしてくれます。

馬がもたらす主な癒し効果

  • 馬のリズムによるリラックス: 馬が「常歩(なみあし)」で歩く時のトコトコという一定のリズム。この心地よい揺れが、心身の緊張をほぐしてくれます。
  • 馬との関係構築: 馬はとても賢く、社会性の高い動物です。世話をしたり、騎乗したりする中で、言葉を介さないコミュニケーションが生まれ、信頼関係が築かれていくプロセスは、何物にも代えがたい喜びがあります。
  • 達成感と自信: 「昨日できなかったことが、今日できた」という小さな成功体験を積み重ねやすいのも乗馬の特徴です。これが自信回復につながり、日常生活にも良い影響を与えてくれます。
  • 環境によるリフレッシュ: 乗馬クラブは自然豊かな場所にあることが多いです。緑の中で馬と触れ合うこと自体が、日頃のストレスを忘れさせてくれます。

面白いのは、この精神的なリラックスと、先ほどの身体的なメリットが繋がっている点です。馬の上で緊張して体がガチガチだと、うまくバランスが取れません。リラックスして馬を信頼することが、結果として馬の動きにスムーズに合わせる(随伴する)ことにつながり、体幹強化や姿勢改善といった身体的な効果を引き出す鍵になるんですね。

乗馬のデメリットと怪我のリスク

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もちろん、良いことばかりではありません。趣味として始める前に、現実的なデメリットやリスクもしっかり知っておくことが大切です。

よく聞かれる「続かない理由」としては、主に4つの課題があるようです。

  1. 費用(コスト): 他の趣味と比べて、初期費用や月々の維持費が高額になりがちです。(詳しくは後述します)
  2. 場所(アクセス): 馬を飼育するには広い土地が必要なため、乗馬クラブはどうしても郊外にあることが多く、通うのが大変な場合があります。
  3. 環境(天候): 屋外での活動が基本なので、雨や猛暑、強風など、天候に左右されやすい側面があります。
  4. 上達の難しさ: 最初は乗れるだけで楽しいですが、上達するにつれて技術的な壁にぶつかります。「馬が指示通りに動いてくれない」といった難しさに直面し、挫折してしまうケースもあるようです。

そして、誰もが心配するのが「怪我のリスク」、特に「落馬」ですよね。

安全に関する注意点

馬は臆病な動物でもあり、落馬事故のリスクはゼロではありません。また、お手入れ中に足を踏まれたりする可能性もゼロとは言えません。

しかし、これらのリスクの多くは、人間側が適切な注意を払うことで防げると言われています。乗馬クラブ側も安全を最優先しており、初心者のうちは非常におとなしく経験豊富な馬をあててくれることがほとんどです。

実は、落馬事故の多くはライダーの「緊張」や「恐怖心」から始まると言われています。体が硬直するとバランスが崩れ、さらに怖くなって姿勢が崩れる…という悪循環です。安全の第一歩は「リラックスすること」。安全に乗るためにリラックスを学ぶスポーツ、とも言えそうですね。

乗馬は年齢に関わらず楽しめる

「もう若くないから…」と心配する必要はなさそうです。乗馬は、特定の年齢層だけのものではなく、小学生から50代、60代で初めて挑戦する方まで、非常に幅広い年齢層に受け入れられています。

実際にシニア世代の受け入れを歓迎しているクラブも多く、安全面に配慮したレッスンが提供されています。まさに「生涯スポーツ」として長く続けられる趣味なんですね。

馬は朝型の動物なので、乗馬を趣味にすると自然と早起きになり、生活リズムが整うという副次的なメリットもあるそうですよ。

体重制限はどれくらい?

年齢とともによく心配されるのが「体重制限」です。多くの乗馬クラブでは、安全のために体重制限を設けています。

これは差別などではなく、パートナーである「馬の健康と福祉(ウェルフェア)を守るため」という非常に重要な理由からです。馬が安全に運べる重さには限界があり、それを超えると馬の背中や脚を痛める原因になってしまいます。

一般的な目安:「馬の体重の20%~30%」

一般的に、馬が安全に運べる重さ(人と鞍など)は、馬自身の体重の20%~30%が限界とされています。30%を超えると馬の体を痛めるリスクが格段に高まると言われています。

そのため、多くのクラブでは「90kg以下」といった具体的な目安を設けていることが多いようです。

ただし、これはあくまで目安です。馬にもポニーから大型の馬まで色々な種類がいます。

馬種 体重制限の目安
ポニー 40kg~60kg
サラブレッド 80kg前後
道産子(どさんこ) 90kg前後
ばん馬(ばんえい) 100kg超

一般的なクラブに多いサラブレッドだと80kg前後が目安になることが多いようですが、道産子やばん馬のような大型の馬がいるクラブでは、90kg以上の方でも騎乗可能な場合があります。

体重に不安がある場合でも、まずはクラブに「自分の体重に見合った馬が在籍しているか」を事前に確認してみるのが良いと思います。乗馬を始めることが、健康維持への新しいモチベーションになるかもしれませんね。

趣味で乗馬を始めるステップと費用

イメージ:しゅみLABO

乗馬の魅力と現実がわかったところで、次はいよいよ「どうやって始めるか」です。ゼロから乗馬を体験するまでの具体的な流れと、一番気になる「お金」の話を詳しく見ていきましょう。

乗馬体験の始め方と当日の流れ

乗馬を始めるには、一般的に「乗馬クラブ」に行き、「体験レッスン」を予約するのが最初のステップです。

体験レッスン(多くは45分程度)の一般的な流れは、以下のようになります。

  1. 予約・受付:

    まずはオンラインなどで体験レッスンを予約します。当日はレッスン開始の15分~30分前には到着し、受付で申込書や誓約書などに記入します。


  2. 準備:

    支払いを済ませ、レンタル装具(ヘルメット、ブーツ、プロテクターなど)のサイズを合わせます。


  3. レッスン(騎乗):
    • 対面・移動: 馬房で今日乗る馬とご対面。インストラクターと一緒に馬場(練習場所)へ移動します。
    • 上馬(じょうば): 馬に乗ります。踏み台を使って、馬の左側から「よっこいしょ」とまたがります。
    • 騎乗(約45分): まずは馬上での正しい姿勢やバランスの取り方から。馬を歩かせる「常歩(なみあし)」から始め、慣れてくれば少し走る「速歩(はやあし)」まで体験できることが多いです。
    • 下馬(げば): 馬から降ります。今度は踏み台を使わず、鞍に体を預けるようにしてスッと降ります。
  4. レッスン後:

    頑張ってくれた馬に、ご褒美のにんじんなどをあげる「ふれあいタイム」が設けられていることも。馬との距離がグッと縮まる瞬間ですね。その後、馬を馬房に戻し、レンタル品を返却して終了です。


初心者に適した服装と道具

体験レッスンでは、必要な道具のほとんどはレンタルできます。自分で用意する服装には、いくつかルールがあります。

【自前で用意する服装】

  • 基本: 「長袖・長ズボン」が必須です。日焼け、虫刺され、摩擦による怪我を防ぐため、肌の露出は避けます。
  • ボトムス(推奨): ストレッチ性のあるパンツ(ジャージやスポーツ用ズボン)が最適です。
  • 靴下: ブーツ内の擦れを防ぐため、膝下までの長めの靴下(ハイソックス)が推奨されます。

【NGな服装の例】

  • ジーパン: 生地が硬く動きづらいため、内ももが擦れて痛くなる原因になります。股関節の動きも妨げるため、安全面からも推奨されません。
  • フード付きパーカー: 馬具や障害物に引っかかるリスクがあるため避けましょう。
  • スカート: 当然NGです。

本格的に趣味として続ける場合は、専用の道具を揃えることになります。

揃えるべき必須道具(初期投資)

以下の3点は最低限必要になりますが、最初はレンタルで十分です。

  • ヘルメット
  • 乗馬用ブーツ(またはショートブーツ+チャップス)
  • キュロット(乗馬用ズボン)

その他、グローブ(手袋)や、安全のためのボディプロテクターもあると安心です。これらももちろんレンタル可能なクラブがほとんどです。

乗馬にかかる費用の内訳

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さて、一番気になる「費用」です。乗馬は、その費用の多くがパートナーである「馬の生活(エサ代や健康管理費)」を守るために使われる、という点が他の趣味と大きく異なります。

費用に関するご注意

ここで紹介する金額は、あくまで一般的な目安です。地域やクラブのグレードによって大きく異なります。必ずご自身が検討している乗馬クラブの公式サイトで最新の料金体系を確認してください。

乗馬の費用は、主に「入会金」「会費」「騎乗料」の3つで構成されます。

  • 1. 入会金(初期費用):

    相場は 100,000円~200,000円程度とされています。多くのクラブが会員制を採用しています。


  • 2. 会費(固定費):

    月会費として 10,000円~20,000円程度が相場です。「平日会員」や「週末会員」などで料金が変わる場合もあります。


  • 3. 騎乗料(変動費):

    1回のレッスン(1鞍=ひとくら、約45分)ごとにかかる費用で、1,000円~10,000円と幅があります。


【最重要チェックポイント】

この「騎乗料」に、「指導料」や「借馬料(馬のレンタル料)」が含まれているか、別途必要なのかを必ず確認してください。騎乗料が安く見えても、会費が高かったり、指導料が別だったりするケースもあります。

【道具一式の価格帯(目安)】

続けると決めた場合、道具代もかかります。

道具 価格帯(目安)
ヘルメット 5,000円~50,000円
ブーツ 8,000円~40,000円
キュロット(乗馬ズボン) 9,000円~60,000円
グローブ(手袋) 2,500円~10,000円
プロテクター(推奨) 20,000円~60,000円

必須の3点(ヘルメット、ブーツ、キュロット)を揃えるだけでも、最低約20,000円~40,000円以上の初期投資は見ておいた方が良さそうです。

【モデルケース:月々いくらかかる?】

あるクラブの料金例(月会費15,000円、騎乗料2,200円/鞍、レンタル料1,000円/回)で試算してみます。

  • 週1回(月4鞍)通う場合(レンタル利用):

    (月会費 15,000円) + (騎乗料 2,200円 x 4回) + (レンタル料 1,000円 x 4回)


    = 月額合計 約 31,800円


月3~4万円という費用を「高い」と感じるか、心身の健康への「投資」として「妥当」と感じるかは、その人次第と言えそうですね。

費用を安く抑える賢い方法

とはいえ、少しでも費用を抑えたいですよね。いくつか方法はあります。

  1. ビジター(非会員)制度の活用:

    入会金や月会費を払わず、乗りたい時だけ料金を支払う「ビジター」制度です。ただし、1回あたりの騎乗料は割高(例:13,000円~)になるため、「月に1回程度」ならビジターが得、「毎週乗る」なら会員になった方が得、という分岐点があります。


  2. 割引・クーポンの活用:

    まずは「初回体験割引」を使いましょう。これで数千円で体験できるクラブがほとんどです。


  3. 道具の工夫:

    最初はすべてレンタルで済ませ、継続が決まってから徐々に揃えるのが賢明です。また、中古の乗馬用品を活用すれば初期費用を大幅に抑えられます。


上達の壁とライセンスの目標

乗馬を続けていると、多くの人が「駈歩(かけあし)」というステップで壁にぶつかるそうです。常歩(歩く)、速歩(小走り)の次ですね。合図を出しても馬が動かない、すぐに速歩に戻ってしまう…。

その原因のほとんどは、ライダーの「力み(りきみ)」にあると言われています。揺れを怖がって無意識に手綱を引いてしまい、馬に「止まれ」のブレーキをかけていたり、体が硬直して正しい合図を送れなくなっていたりするんです。

上達のコツは、皮肉なことに「頑張らないこと(=馬の邪魔をしないこと)」。リラックスして、自分のお尻(坐骨)でバランスを取る感覚を学ぶ必要があります。もし上達が難しいと感じたら、インストラクターさんとの相性もあるかもしれないので、別の人に相談してみるのも一つの手です。

そんな時のモチベーション維持に役立つのが、「乗馬ライセンス5級」の取得です。

目標としての「乗馬ライセンス5級」

レッスンを10回程度受けると受験資格が発生することが多いようです。筆記試験(馬の基礎知識など)と実技(常歩、軽速歩など)があります。目に見える形で「達成感」が得られますし、このライセンスがあると、次のステップである「外乗(がいじょう)」に参加できる場合も多く、楽しみが格段に広がります。

「外乗(ホーストレッキング)」とは、馬場の外、つまり山や海岸、森の中といった大自然の中で乗馬を楽しむことです。これは乗馬の醍醐味とも言えますね。初心者向けの体験コースも全国にたくさんあるので、ライセンスがなくても楽しめますよ。

趣味の乗馬で豊かな毎日を

趣味としての乗馬は、単なるスポーツではなく、心身の健康、動物との絆、そして自己成長のすべてを体験できる、本当に奥深い活動だなと感じます。

確かに、費用はかかりますし、天候にも左右されます。怪我のリスクもゼロではありません。でも、それらの課題を乗り越えるプロセス自体が、乗馬がくれる「達成感」や「自信」に繋がっています。

馬の背中から見る景色、馬の温もり、そして心が通じた瞬間の喜びは、他では味わえない特別なものです。年齢や運動神経を理由に諦めるのは早いかもしれません。

まずは安全な服装(ジャージとハイソックス!)を準備して、お近くの乗馬クラブの「体験レッスン」を予約することから、この非日常的な趣味の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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